Callトラッキングとは、電話でのお問い合わせから「顧客情報を測定・分析できる」ツールの事を言います。
このツールを利用して、「いつ・誰が・どこから・どのくらい問い合わせをしたのか」等の電話データのアクセス解析を行うことにより、電話のコンバージョン(CV)測定ができるようになります。
広告媒体ごと(リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告)や、オーガニック検索等、流入した経路ごとに測定する事ができる為、施策に対する費用対効果も検証することが出来るようになります。
Callトラッキングの仕組み
Callトラッキングによる、「顧客から企業」を繋ぐまでの流れは以下のようになります。
①顧客が各広告媒体(WEB、テレビ、雑誌等)を経由して電話をかける。
②広告媒体ごとに違う電話番号が振り分けられており、Callトラッキングシステムへと繋がる(商品単位での振り分けも可能)。
③顧客データ(いつ・どこから・どのような問い合わせなのか等)がCallトラッキングシステムに蓄積。
④Callトラッキングシステムから企業に電話を転送する(その際、「○○を見たお客様からの入電です」というような音声ガイダンスが流れる)。
⑤企業側は、顧客がどちらから電話をかけてきたのかわかる状態で着信に対応することができる。
また、コールトラッキングシステムをCRM(顧客関係管理)システムと連携することにより、電話受診の際に顧客の名前や住所、過去の履歴をPCに表示させる事も出来、業務効率化や対応力の向上を図れます。
「電話CV=全ての着信」ではない
実は、電話CV数は“全てが有効な数字”ではありません。なぜなら、電話CVには3種類の要素が混在しているからです。
その3つの種類とは、以下の通りとなります。
1:有効な問い合わせ
2:間違い電話
3:誤タップによりかけてしまった電話
Callトラッキングを使用することで、顧客からのお問い合わせデータを分析し、施策へ効率的に反映させることが出来る為、電話が重要なビジネスにはコールトラッキングが欠かせないのです。
Callトラッキングのメリットは、大きく分けて4つあります。
①流入経路が測定できる(費用対効果の検証)
先述した通り、Callトラッキングを導入することで、リスティング広告・ディスプレイ広告などのオンライン広告を始め、新聞や雑誌、テレビやラジオ等、それぞれの経路ごとに専用の電話番号を設置することができます。
つまり、データをそれぞれの経路ごとに取得し効果を可視化することによって、経路ごとの費用対効果を分析・検証することができるのです。よって、力を入れるべき経路(媒体)が把握できるようになる為、より効果的な電話CVの向上を見込むことができます。
②IVR(自動音声案内)機能による効率化
IVRとはInteractive Voice Responseの略で、自動音声応答システムのことを指します。
皆さんも今まで、例えば銀行やその他商品についてお問合せをした際に、自動音声機能のガイダンスにより案内され、担当の部署に電話が直接繋がれた経験はありませんか?
それがIVR機能です。
オペレーション人員が問い合わせに対して不足している状況においての一次対応をこのIVR機能に任せられる為、担当者等に繋げるまでの工数を省略できるなど、業務を効率化が期待できるのです。
③見込み顧客の取りこぼしを防ぐ
購入見込みの高い顧客の問い合わせが、営業時間外であったり、受信側が対応できなかった場合、大切なCV機会の損失になりかねません。
もちろん発信側からかけ直してくれる場合もありますが、半数以上がそのまま再コールしない傾向にある為、やはり最初の問い合わせ機会を失うべきではないと考えられます。
Callトラッキングでは、以下(一部)のような様々な機能によりこのような機会損失を防ぐことが期待できます。
①通話機能
:応対できなかった着信の情報を、企業側にメール等で通知
②コールキューイング
:混雑等ですぐに応対できない場合、「そのままお待ちください」等の音声や音楽を流し、離脱を防止する
③転送機能
:応対できない場合、予め登録しておいた電話番号に自動転送できる
④一次情報の取得
Callトラッキングツールの通話録音機能を利用して、顧客の生の声を取得できるということも大きなメリットとしてあげられます。
画面や数値を眺めるだけではわからない顧客の“リアルな声(心理)”を把握することができる為、その内容と数値データを併せて分析することで、更に質の高いマーケティング施策を打つことができます。