自動入札ツールとは、独自のアルゴリズムによってリスティング広告の入札管理を自動化してくれるツールで、大きく分けて「ポートフォリオ型」「ルールベース型」に分類されますが、最近ではこの2つを合わせた「ハイブリッド型」も存在します。
ポートフォリオ型
「ポートフォリオ型」は、独自のアルゴリズムによりポートフォリオを組み、目標CPAを達成するために、登録しているそれぞれのキーワードの入札額を自動で行う自動入札ツールのことを言います。
それぞれのキーワードや広告グループ、キャンペーン等は設定した目標と大幅に離れる場合もありますが、予算バランスをツールが自動的に調整し、目標達成に向けた入札の動きをしてくれます。
運用者がやることは「目標の設定」のみになりますので、リスティング運用の大幅な工数削減が実現できるのです。
気を付けなければならないことは、これは“完全自動”ではないということ。人の手により、データのサンプルを集めたりチューニングが必要になるという手間もあるということを頭に入れておかなければなりません。
しかしながら、近年ではそれらをある程度は解決した、まるで人が運用しているように最適化された入札を自動で行う「ヒト型ポートフォリオ」と呼ばれるものも出てきました。
ルールベース型
ルールベース型とは、その名の通り、ルールに基づき個別に最適化を行うものです。この“ルール”は、運用者が決めることができます。
(例:CPAがある水準を下回った際には、特定のキーワードの入札単価を5円上げる、等。)
キャンペーンや広告グループごとに細かいルール設定ができる為、状況に合わせた運用が実現可能となるのです。
しかしその反面、作業量が多くなる為に運用者の負担が大きくなってしまう上に、最適なルールを考える為にもリスティング広告に関する知識を身につけなければならないというデメリットがあります。
ハイブリッド型
両方の長所を合わせることで、より便利な自動入札ツールとなったのがこの「ハイブリッド型」。今では利用されている多くの自動入札ツールがこれにあたります。
ポートフォリオ型とルールベース型のそれぞれのデメリットを補い合い、メリットを高められる為、より最適な運用が実現できるのです。
①運用の手間・工数の削減
自動入札ツール導入の最大のメリットはなんと言ってもこの工数削減にあるのではないでしょうか。
つまり、入札管理を自動入札ツールに任せる事により、運用者のメンテナンスにかかる作業・時間的な負担を減らすことができます。その分、分析作業や戦略考案等、他のところで時間を費やすことが出来る為、非常に効率的に運用を進めることが可能になるというわけです。
②機会損失の削減
キーワードはコンバージョンにも繋がる重要な要素になります。
しかし、大量のキーワードが設定されているアカウントの場合、手動の入札で主要のキーワードについては日々のメンテナンスで調整ができるかもしれませんが、すべてのキーワードの入札管理をするとなると非常に多くの時間と手間がかかることになります。
そのような場合、人の手が回らず管理の全く行き届かないキーワードも出てくるでしょう。
しかし現実として、主要キーワード以外の、管理が行き届かないような見落としがちなキーワードでも、意外とコンバージョン獲得に繋がるケースや、目標CPAよりもはるかに効率的にコンバージョンを獲得できたりするケースもあります。
つまり、これらのニッチなキーワードを放置することは、機会の損失につながりかねないのです。
自動入札ツールを導入すれば、人の手が回らず日々のメンテナンスで放置してしまいがちなキーワードの入札も、ツールによって自動的に最適化される為、機会損失を防ぐことができます。